「指輪が抜けない!」と焦った経験はありませんか?その原因のほとんどは「むくみ」です。
今回は、リングが抜けない原因と、お出かけ前に出来る簡単な「むくみ」の解消法をご紹介!さらに、どうしてもリングが抜けなくなった時の対処法をご紹介いたします。
リングが抜けない原因は?

むくみの原因①【気候】
「お出かけ前に着けようと思った指輪がはまらない!」
お気に入りのリングを着けたいのに、がっかりした気分でリングを着けれずお出かけされた経験はありませんか?当店でも梅雨時期から夏にかけてが、年間通して「指輪が入らなくなった」というお声が増える時期です。「朝はすんなりはめれたのに、夕方には抜けなくなった」とか、「昨日まで普通に外れていたのが全然抜けなくて焦ってパニックになった!」など、特に毎日着用されているご結婚指輪などは、「気付いたら抜けなくなっていて…」というお声をよく伺います。
そこで、今回はまず指のむくみの原因を探り、対処法をご紹介いたします。
◆気圧による自律神経の乱れ
梅雨から夏にかけての時期は低気圧が頻繁に通過し、気圧が大きく変動します。その変動により自律神経のバランスが乱れることで、交感神経が優位になり血管が収縮して血流が悪くなるとむくみの原因となります。
◆湿度過多
梅雨の湿気や熱帯夜などで寝苦しい夜が続くと寝不足になり、体内のホルモンバランスや水分代謝が悪くなるのも、むくみの原因となります。また、汗や湿気によって指の股部分が汗ばみ、指輪のすべりが悪くなるのも抜きにくい原因です

むくみの原因②【体形変化】
女性は、妊娠中にサイズが合わなくなったり、出産の際に産婦人科からリングは外しておくようにと言われます。そして、産後外していたらはまらなくなったというケースが多くみられます。
◆出産前後
妊娠後期におこる妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)による症状や、授乳時期を過ぎる頃いわゆる「産後太り」の状態が続くと体重増加による体型の変化により指が太くなってしまうことがあります。また産後はホルモンバランスや体内の水分量の変化により1ヶ月前後むくむことがあります。
◆更年期障害
40代後半から始まるといわれる更年期の時期は、女性ホルモンの急激な減少により代謝が悪くなります。更年期がはじまると、内臓脂肪もつきやすくなる、ホットフラッシュなど急な体の火照り、手指がしびれたりむくんだりといろんな不調が出やすい時期です。指の関節が腫れて変形する「へバーデン結節」や「関節リウマチ」など、むくみ以外にも節が大きく変形することで抜けにくくなることもあります。
◆体重増加
これは男女年齢問わず4~5㎏体重が増えると、1~2号ほどリングサイズも変化してきます。特に中高年になると代謝が悪くなり、若い時のようには体重がすんなり落ちにくくなってきます。
次に、簡単にご自宅や職場でケアできる、むくみの解消方法をご紹介いたします。
むくみの解消方法

まず、指先の血行をよくするマッサージが効果的です。
✔指の付け根から指先まで1本ずつ丁寧にマッサージする
✔親指と人差し指の間の「合谷」というツボを痛気持ちいい程度の力で押す
✔手のひらを開いたり閉じたりを繰り返す
リラックスして、しっかりと指先をマッサージしてください。そして、溜まった毒素を流すイメージで指先にむかって優しく血流を流してください。だんだんとポカポカと血流が良くなってくるのが感じられるとむくみが解消され、いつものリングが楽にはめれると思いますよ♪
即効性のあるむくみ対処法は?

まずは、お出かけの前にお風呂に浸かるのが一番良い方法なのですが「そんな時間がない!」という方は、この方法をお試しください。
✔洗面器にお湯を張ってを手だけを浸け、曲げ伸ばしやマッサージをして指先まで温める
✔石鹸やハンドソープを使い滑りやすくし、ゆっくりと回しながら着ける(外す)
※ただし絶対に無理はしないでください。体調や時間帯によっては、むくみが解消しない場合があります。お時間がある時はリラックスしてしばらく時間をおいて再度試してみてください。

そして、運動後や飲酒で手がむくんでいる場合は、冷やすのも効果的です。冷水に手を浸したり、外出先であれば冷たいペットボトルを手に当てたりしてみましょう。また、最近では保冷剤が入ったネッククーラーなど冷感グッズもたくさん揃っているので、ご自身のライフスタイルにあったむくみ解消グッズとして常備されるのも良い方法かと思います。
しかし、指輪が抜けなくなった原因が、病気やケガによる腫れの場合は、短時間では抜けないので無理に引っ張ると余計に腫れてしまうなど逆効果になってしまいます。医療機関を受診するなど焦らず慎重に行動しましょう。
どうしてもリングが抜けないときは?

まずは、お近くの消防署、またはジュエリーショップへご相談ください。
当店でもリングカッター(上の画像参照)という工具を使用し、リングカットを承っております。
【リングカットの手順】
①リングと指の間に受け皿となる側を差し込みます。
②リングを挟みながら、カッター(ギザギザの刃)をネジ型のハンドルを回して切断します。
③リングが切れたら、カット部分からリングをペンチで広げ抜きます。
◆リングカット代 ¥1,100(税込み)
「リングを切る時、痛くないの?」という質問が多いのですが、指の節が太くなって抜けなくなってる場合はリングカッターの受け部分と指の隙間があるのでそれほど痛みはないのですが、腫れている方は隙間が無いのでどうしても腫れている指を圧迫するため痛みを伴います。保冷剤などで冷却しながら進めますが、うっ血してる状態だと腫れている部分にリングカッターを食い込ませるため相当痛いように思われます。そうなってしまう前になるべく早くご相談くださいませ。
切ったリングは直せるの?

【切ったリングの修理】
当店では、リングカッターでカットしたリングの修理も承っております。
リングをカットする際、カット面がまっすぐ切れず斜めになったり、リングを広げた時に石が動いたり取れたりすることがあります。その場合は、カットした時の状態で価格が異なるため、お見積額をお伝えし、修理されるかどうかご検討いただいております。
またサイズについては、カットされた当日に指が腫れている場合は、お日にちを置いて腫れが引いた後、サイズを測り直すことをおすすめしております。
次に、カットしたリングの修理の一例をご紹介いたします。

【カットしたリングの修理例】K10 ダイアモンドリング \11,000
上の画像は、当店でお買い求め頂いたリングが抜けなくなり、近くの消防署にてカットされたングの画像です。カットした際にどうしても垂直に切れず、斜めに刃が入りバリが出たり(真ん中画像参照)、ペンチで広げる際に折れるように曲がってる(右端画像参照)ので、カット部分以外も修理しないとなると、上記のお値段くらいかかりました。
当店でカットする際も、なるべく直す時の事を考えてまっすぐきれいにリングカッターの刃を回すよう努めてはおります。しかし、人力で切っておりますと、途中で刃が滑ったり、地金に噛んだりして刃が斜めに入ってしまうことがあります。その際には、切り口がガタガタになってしまうこともありますので、その点も事前にご了承くださいませ。
リングを切らずに抜く方法

大切な方からの思い出の詰まった指輪は、やはり「切る」という行為に抵抗があるので切りたくないという方も多くいらっしゃいます。その場合、切らずに抜く方法として「糸」を使って外す方法があります。当店では、100円ショップなどで購入できる太めのタコ糸や、調理用の綿巻糸を使用しております。
糸を巻いて外す場合は、正直かなりの痛みを伴います。裁縫用の糸は細すぎるので、腫れた指に食い込みすぎて痛みがより強くなるので太めの糸をおすすめいたします。
以下の場合は無理せず切ることをおすすめします。
◇指の根元や節が変形している
◇うっ血して腫れている
◇糸を巻いても全く抜けそうにない
腫れやむくみを我慢して過ごしたことで、結果切るしかない状態になっている場合、この糸で巻き取る方法でも、かなり痛みを伴います。むくみや腫れた部分を糸でぐるぐる巻きつけて圧迫するので、苦痛に耐えきれず涙が出たり、声をあげられる方もいらっしゃいますので、リングが抜けなくなった時は、指輪も指も負担が少なくすむので迅速な判断をお願いいたします。
今後のむくみ対策

今年は、中国地方では6月中に梅雨明けするという観測史上最も早く、例年より22日早いわずか18日間の最も短い梅雨となりました。そして、7月になっても蝉の泣く声がしないとニュースになったり、お盆前に遅い梅雨がやってきたような長雨が続いたりと、異常な気候変動が通常になりつつあります。
さらに、これから夏のような気温が10月まで長引き、扇風機や冷房がきいた部屋の中でじっと過ごすことが例年より長くなることが予想されます。暑さによるリングサイズのお悩み期間も、きっと長くなることでしょう。したがって、日々の体調管理に気をつけて、指のケアをすることでリングサイズをキープしていただくことを推奨いたします。
また、むくみ対策として、リングを着けっぱなしにせず「リングを外す」習慣をつけるようにしていただくこともポイントです。当店にお買い物ついでにクリーニングにお立ち寄りいただくことで、「リングを外す」という行動が伴いますので、メンテンナンスも兼ねてお気軽にお声がけくださいませ。