レアストーンの世界へ④

 世界3大希少石のアレキサンドライト・パライルマリン・パパラチアサファイアに次ぐ希少石として人気のタンザナイトをご存知でしょうか?
 今回は、次なるレアストーン「タンザナイト」をご紹介致します。

タンザナイトとは

【タンザナイト】
 タンザナイトの正式名称は「ブルーゾイサイト」といい、ゾイサイトという鉱物の青色変種です。その特徴は、光に敏感でサファイアより明るく透明感がある「バイオレットブルー」。
 タンザナイトの輝きは、蝋燭やシャンデリアなどの照明の暗いパーティーシーンでも、まるで水の中にいるような透明感のある煌めきで、社交界を彩るイブニングジュエリーとしても人気です。

 日光の下ではブルー、白熱光やキャンドルの下ではバイオレットに見えるという変化を見せることがあります。この見る角度によって違う色の変化がある「多色性」といい、この多色性がはっきり出るかで評価が変わります。タンザナイトの見分けるポイントは、下記をご参照ください。

名前の由来は?

 タンザナイトは1960年代に発見され、大手ジュエリーブランドによって、キリマンジャロの夕暮れから夜に変わる夜空の色合いに似ていたことから、「タンザニアの夜明け」の意味でタンザナイトと名付けられました。その深い藍色に混ざる太陽の光が神秘的で、宝石業界では新しい宝石の発見に湧き、その美しさが市場に広まるには時間がかかりませんでした。

 タンザナイトの発見は一説では、地元のマサイ族の男がキリマンジャロ山の近くで透明な結晶を見付けたのが最初だと言われています。その澄んだブルーはサファイアの原石ではないかと推測されましたが、検査すると新種の宝石だと判明しタンザナイトが誕生しました。

タンザナイトの主な産地

 タンザナイトの産地は、南アフリカにあるタンザニアです。世界の名峰「キリマンジャロ」の麓、メレラニ鉱山でしか採掘されません。世界でこの鉱山でしか出てこないということは、産出量も他の宝石に比べると少ないということです。そしてほとんどのゾイサイトは褐色のものが多く、ブルーが産出されることは大変稀で、トップクォリティのものはさらに採掘されないそうです。
 専門家によるとタンザナイトは今後20年で、埋蔵量のすべてが採掘されてしまう可能性があるといわれ、さらに手に入り難い宝石となりそうです。

タンザナイトの見分け方

 タンザナイトを選ぶ時のポイントは、サファイアのように濃いブルーやバイオレット(すみれ色)カラーをしたもの、色が濃く鮮やかで、ブルーが強く出るものほど評価が高い傾向にあるようです。さらに透明度も高く、多色性がはっきり見られるかどうかによって宝石のグレードが変化し、評価や価値が変わるとされてます。
 一番上のリングの画像のようなタンザナイトは、高品質で透明度も高く、色も申し分のないハイクオリティです。
 見分け方のポイントを、簡単に3つにまとめると
 ・色が濃く、ブルーが強く出るもの
 ・多色性があり、透明度の高いもの
 ・インクリュージョン(内包物)が少ないもの
をポイントにすると良いと思います。

 さらに、タンザナイトは他のレアストーン(希少石)と比べ原石が大きいので、他のレアストーンより比較的大きなカットでお楽しみいただけます。大粒の石がお好みの方は、狙い目ですよ♪

タンザナイトの仲間「ルビー・イン・ゾイサイト」

 さて、ゾイサイトには色々な種類あるのをご存知ですか?和名を「ゆうれん石」といい、緑色・ピンク色・青色・無色などがあります。中でも人気があるのが、緑色のゾイサイトの中にルビーを共生した「ルビーインゾイサイト」(別名「アニョライト」)です。この産地の一つでもあるタンザニアに住むマサイ族の言葉 “anyoli”(「緑」という意味)に因んで付けられたものです。同じ鉱物でも、さまざまな色合いが楽しめますよ。

まとめ


 今回は、美しい多色性を持つ青色の宝石「タンザナイト」についてご紹介致しました。
新しく発掘された宝石を、大手ブランドが販売展開させるために、「タンザナイト」というコマーシャルネームを名付け、世界中に知らしめたということは稀なことです。

 サファイアのブルーとは違い、透明感のある落ち着いたバイオレットブルーのタンザナイトは、長寿を祝福する「古希」(70歳)を祝う記念石としても選ばれてます。
 さらに、タンザナイトは12月の誕生石として認知されてきたのですが、日本のジュエリー業界が正式に12月の誕生石として追加しました。

 今後、さらに注目が集まるタンザナイトを、ご自分へのご褒美、大切な方への記念日の贈り物としていかがでしょうか?店頭にはネックレスやピアスなどお手頃価格の各アイテムが揃っておりますので、是非その美しさを手に取ってみてくださいね♪