念珠の修理について

 仏式のご葬儀やご法要に参列する際の必需品「数珠(じゅず)」。数珠とは、穴の開いた小さな珠(たま)を中糸で繋げたもので、私たちにとって身近な仏具の1つです。葬儀や法要に参列するときは、念珠を持つことがマナーとされています。
 しかし念珠を久々に出してみると、房が曲がっていたり、糸が緩んでいたり、最悪の場合、糸が切れていて使えない、などとお話をお聞きすることがあります。今回は念珠の修理や、お手持ちのパールのネックレスを手軽に念珠へのリフォームをご紹介します。

念珠とは

 元々はお経や念仏を唱える際に、珠を動かすことで数を数える道具としても用いられており、これが数珠(じゅず)という名前の由来となっています。また、仏様を「念」ずる際に用いる「珠」であることから「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれます。ご法要の際のお道具という意味合いはもちろん、実は魔除け、厄除けのお守りとしての役割もあります。
 葬儀や法要に参列する時は、念珠が必要です。念珠は一人一つが基本です。念珠は持ち主の分身でもあるため、念珠がないからといって、家族や友人との貸し借りはタブーとされています。借りるくらいなら、いっそ念珠なしで参列する方が良いでしょう。

切れてしまった念珠でお困りではありませんか

 まれに念珠の珠を繋ぐ紐が劣化して、切れてしまうことがあります。ご葬儀やご法要の最中などに切れてしまうと、バラバラと珠が散らばってしまい困ってしまいます。紐が明らかに劣化している場合には、事前に新しく買い替える、あるいは修理に出しましょう。
 当店では念珠のつなぎ替え、房替えを承っております。付いている房が利用できればそのまま使用してつなぎ替えをします。

つなぎ替え ¥2,200(元の房を使用した場合です)
房替え ¥4,400~(房の色などの詳細は店頭にてご相談ください)
※念珠のお修理の価格は、どの宗派にもお使いいただける略式タイプの片手用念珠です。

 念珠の房が絡まったり、曲がってしまっても湯気を当てて直すことができます。まず、やかんにお湯を沸騰させ、石の部分に湯気が当たらないように房の部分にだけ湯気を当てて、癖を直しながら真っ直ぐに整えていきます。その際、湯気によるやけどなどに充分に注意してください。何度か繰り返すと真っ直ぐになってきますので、仕上げに湿気を飛ばすため吊り下げるなどして、よく乾かして保管してください。

使わなくなったパールのネックレスを念珠へリフォームしませんか


 お使いの真珠のネックレスの珠が小さく感じて、一回り大きな珠の真珠に買い替えたり、またはグレーの真珠や黒蝶真珠を新たに購入される方が増えています。また、成人や厄除けのお祝いでいただいた真珠を、何回か着けただけでその後は何年もタンスにしまったまま、という方も多くいらっしゃいます。
 真珠のネックレスは、お安い買い物ではない場合がほとんどです。 「せっかくの真珠をずっと引き出しの奥にしまったままというのも勿体ないけど、リフォームするとかえって高くなるんじゃないの?」というお声をいただくことがあります。

思い出のネックレスを念珠へリフォーム

 例えば人生の大切な場面に寄り添う道具として、念珠へのリフォームはいかがでしょうか。リフォームにはネックレス、ブレスレット、 ピアス、イヤリングなど様々なお品がありますが、念珠のリフォームも大変ご好評いただいております。思い出をそのままにカタチを変えてご自分用に、また、お子様やお孫様に贈られても素敵です。
 念珠のリフォームは\4,400からなので、気軽にリフォーム出来るのも嬉しいポイントです。使わなくなった真珠や珊瑚、天然石を有効的に活用できます。

念珠へのリフォーム ¥4,400~(房の色などの詳細は店頭にてご相談ください)

 「旅先で買った珊瑚のネックレスがタンスに眠ったまま・・・誰も要らないだろうけど念珠にしたら使ってくれるかな?」まさにこれも、捨てるにはもったいない感じがしますよね。また水晶のネックレスなども普段使いはなかなか難しいのと、夏のような涼やかな印象を与えるため、冬は使いにくいかと思います。そこで念珠に作り変えは是非おすすめです。水晶は厄除けに良いと伝えられている石でもありますので、念珠にベストマッチです。
 他の天然石のネックレスやブレスレットも石の配列を組み替えてみたり、房の色を選んでみると意外と素敵なものが出来たりもします。水晶やサンゴ、真珠に虎目石など、貫通穴が開いている丸珠であれば念珠の作成が可能です。

使わなくなった念珠を石ブレスへ

 「仏間の引き出しにきれいな珠の念珠があるけど、このまま眠らせておくのはもったいない。何か使い道はないだろうか?」とご相談をいただいたことがあります。先日も、当店のホームページをご覧いただいて「亡くなられた方の念珠があるのですが、ブレスレットにしてもらうことは出来ますか?」とご相談をいただきました。
 もちろん、念珠の珠を使ってブレスレットにすることも可能です。珠の穴の大きさにもよりますが、大体の石はシリコンゴムでつないでブレスレットとして装着ができるよう加工出来ます。通し穴が狭い場合はナイロンコードのワイヤーでつなぎ、留め具を付ければ加工できます。
 亡くなられた方が使われていた形見のお品をいつも一緒にいられるように、ブレスレットに加工されるのもおすすめです。
つなぎ替え(シリコンゴム) ¥550~

ご先祖供養につなぎ替え


 今年のお盆はいかがでしたでしょうか。念珠は墓参りなどに持参するものですが、久々に出してみると念珠の紐が切れていたり、房がやけて色が変わっていたり、ヨレが戻らなくなってしまいあら大変、なんてことはなかったでしょうか。
 この機会にご先祖供養も兼ねて、念珠をメンテナンスされてはいかがでしょうか?念珠も真珠のネックレスなどと同様に使い続けていると、紐が劣化するなど様々な不具合が出てきます。長く使い続けるためにも、適切な使い方、定期的なメンテナンスを心がけましょう

 念珠の珠の部分は、汚れたらメガネ拭きなどの柔らかい布で優しく拭きましょう。また、夏場に念珠を使用すると汗が付着するので、使用後はそのまましまわずに先に軽く拭き取り、自然乾燥させて収納してください。念珠の紐は切れやすいため、直射日光の当たるような場所には保管せず、衝撃を与えないことも大切です。天然石でデリケートな石の場合は特に取扱いにご注意ください。

 持ち運ぶ際には専用の念珠袋に入れますが、ご自宅で保管をする場合、念珠袋に入れたままでは房が曲がってしまう可能性がありますので、専用の箱や平らな場所に入れて保管すると良いでしょう。
 当店では念珠ケースもご用意しております。葬儀や法事等で外出する際は、念珠を裸のままバッグなどに入れたり、ポケットに入れておくよりは、ケースに入れておいた方が房の形状もきれいに保たれます。
◆念珠ケース ¥2,200~

 今回は念珠へのリフォームをご紹介いたしました。引き出しにしまったままの真珠のネックレスやお持ちの宝石を結婚や就職、自立など、節目の記念に念珠へと加工してみませんか。特に母なる海から産まれた真珠は、古くから女性の魔除けとして重宝されています。まさに真珠の念珠は最高のお守りにもなるのです。
 お若い方は念珠をご自身で用意しておこうとなかなか思わないものです。使わなくなったネックレスを念珠にリフォームすることで、大人の必須アイテムとしてお子様、お孫様たちに継承してみたり、もしくはあなただけのオリジナルの念珠を作ってみませんか。処分をお考えでしたら、その前にぜひご相談ください。