【改訂版】指輪のサイズ直しについて

 久しぶりに指輪を着けようと思ったら入らなかった、近頃は結婚指輪がきつくて外すのも一苦労、なんてご経験はありませんか。最近では修理についての問い合わせが多く、様々なお品をお直しさせていただく機会が増えております。
 また、他で買ったものなんだけど修理って出来ますか?との、お問い合わせもよくいただきます。ネットや海外、ブランドショップで購入したものだったり、何十年も前に買ったものだからどこのお店か覚えていない、お店がなくなってしまった、祖母や母から譲り受けた、他店で修理を断られてしまったなど、様々なご事情で修理のご相談に来られます。
 結論から申し上げますと、当店でも他店で購入されたお品でも関係なく修理は承らせていただきます。それでは問い合わせが特に多い指輪のサイズ直しについて、詳しく解説させていただきます。

サイズ直しのお値段は?

 大体お値段はどれくらいかかりますか?というご質問を一番よくいただきます。確かにお値段は最も気になるところですよね。あまり高くなるようなら直さないでおこうかな、なんて考えも頭をよぎると思います。そんな気になるサイズ直しのお値段ですが、素材とサイズをどのくらい大きくするか、小さくするかによって料金が変わってきます。

 素材とは指輪に使用されている金属のことです。当店では金・プラチナ・シルバーのお品であれば基本的にサイズ直しが可能です。稀にステンレスやチタンのお問い合わせをいただくことがありますが、どちらも非常に硬い金属であるため、修理が出来ないお品がほとんどです。硬いことは金属としての長所ですが、加工が難しいという欠点にもなります。一方、金・プラチナ・シルバーは物質的に安定性が高く、溶かすと柔らかくなって加工がし易いため、後々も修理などの対応が出来やすいという訳です。

サイズを小さくする

 指輪がスポッと抜ける、指輪を着けるとくるくる回ってしまう場合はサイズを小さくする必要があるかもしれません。サイズが緩いと手を洗った拍子に指輪が流れてしまったり、気付かない間に落としてしまっていた、なんてこともあります。過去にはボールを投げたら結婚指輪も飛んでしまった、なんて方もおられました。指輪自体がなくなってしまっては、どうしようもありませんよね。またサイズが合っていないことで、指輪が変形してしまったり、石が取れてしまう原因にもなります。このような悲しい事例を避けるためにも、早急にサイズ直しにお持ちください。

 指輪のサイズを小さくする場合の価格は以下になります。

 ・プラチナ(Pt)       2,750円
 ・ホワイトゴールド(WG)   3,300円
 ・イエローゴールド(YG)   2,750円
 ・ピンクゴールド(PG)    2,750円
 ・シルバー(SV)       3,300円


 こちらは基本料金になります。サイズを小さくするのであれば、1サイズダウンでも2サイズダウンでも、どれほど小さくしても料金は変わりません。しかし、お品の状態によっては値段が変わる場合があります。ハーフサイズと呼ばれる0.5刻みのサイズのお直しも可能です。
 ホワイトゴールド、イエローゴールド、ピンクゴールドは金の素材になります。例えばK18(金の純度75%)でも、K14(純度58.5%)やK10(純度41.7%)で純度が違っても基本料金は変わりません。   
 同じゴールドでもホワイトゴールドがイエローやピンクに比べて割高なのは、最終工程でロジウムコーティングというロジウム鍍金(めっき)を追加で施すためです。

 もともとゴールドは金色です。ホワイトゴールドを作るときはまず、ゴールドに銀やパラジウムなどの白い色の金属を混ぜ、シャンパン色のような明るく薄めの金色にします。そこに銀白色が特徴のロジウムをコーティングすることによって完全に金の色味を抑え、美しい銀色のホワイトゴールドが出来上がるのです。一方もとが金色であるイエローゴールドや、ゴールドに銅を混ぜてピンク色を出しているピンクゴールドは、そのままの地の色のためコーティングの工程は不要になります。

サイズを大きくする

 昔買った指輪がきつくて入らなくなった、というご相談を特によくお受けします。年齢とともに個人差はありますが体型も変化していきます。指も同様に必ず太くなるという訳ではありませんが、特に女性は妊娠、出産、色々重ねられて太くなられる方が多いです。また指の関節も年齢とともに太くなりますが、それは年を重ねるごとに女性ホルモンが減少し、関節の軟骨を正常に保つコラーゲンが作られなくなるからと言われています。
 指が太くなってしまって恥ずかしい…、と仰られる方もおられますが、指のサイズが変わるのは自然なことです。また、むくみが原因の場合もございます。サイズ直しの際は指輪を小さくする、大きくする、どちらも関係なく丁寧にヒアリングをしながらお指のサイズを測らせていただきます。サイズを直すことで、再びお気に入りの指輪が着けられるようになります。是非、お気軽にお申しつけください。

指輪のサイズを大きくする場合の価格は以下になります。

 ・プラチナ(Pt)        4,950円~
 ・ホワイトゴールド(WG)   5,500円~
 ・イエローゴールド(YG)    4,950円~
 ・ピンクゴールド(PG)     4,950円~
 ・シルバー(SV)       3,630円

 こちらは1号サイズをアップした時の基本料金になります。サイズをどのくらい大きくするかによってお値段がその都度変わります。2号アップ、3号アップだと料金も段々高くなるということです。0.5のハーフサイズも可能です。
 サイズを大きくする場合は、金やプラチナを伸ばすのではなく地金を足すため、料金がサイズを小さくする時よりも高くなります。伸ばす修理も出来ますが、直し部分が細くなったり薄くなったりすることがあり、指輪の強度が弱まります。なにかの衝撃で指輪が変形したり、直した部分が割れたりする恐れがあるため、当店では地金を足す修理を行っています。

 指輪の幅が太かったり厚みがあると足す地金の量も増えるため、見積りに数日いただくことがあります。目安としては、指輪を着けた時に手のひら側にくる部分の幅(原則この部分がサイズ直しをする箇所になります)が3ミリを超えるお品は見積りになります。

サイズ直しの期間

 指輪のサイズ直しはすぐには出来ません。店から工房へ送り、職人が仕上げます。そのためサイズ直しは通常2~3週間ほどお日にちをいただきます。また盆や正月、ゴールデンウィークなどは工房も休みとなる為3~4週間ほど、特殊な修理となった場合は4~6週間程度かかる場合があります。
 そんなに日にちがかかるの、と驚かれる方もおられます。しかし昨今は修理の件数も増えており、ご依頼いただいた順から加工を行うため、上記のお日にちをいただいております。余裕をもって、お早めに来店いただくことをおすすめします。

 結婚式やお葬式などに着けて行きたい用事がある、プロポーズや記念日にどうしても間に合わせたいなど、ご利用日が2~3週間をきってしまったり、そんなに待てないという方は、特例として特急料金1,100円を追加でいただくことで1週間以内にお渡しすることも可能です。ご利用の際は必ず店舗までお品をご持参いただき、スタッフまでお申し出ください。
 しかし、特急は全てのお品が対象となる訳ではなく、指輪の構造上の問題やその時の日程の都合上、1週間ではサイズ直しが出来ないこともあります。予めお日にちに余裕をもってご来店いただければ特急料金もかかりませんし、いざという時にも慌てずに済みます。やはりお早目のご来店を強くおすすめ致します。

他店で断れたお品も

 他店で断られたお品も是非お持ちください。当店では、通常サイズ直しが出来ないと言われているフルエタニティリングや金とプラチナのコンビの指輪など、様々な指輪のサイズ直しをしてきた豊富な実績があります。もちろん全ての指輪の直しが出来るという訳ではありませんが、もしかしたらという可能性もございます。実際に、他の店では断られたけどHPを見てダメもとで来ました、という方もたくさんおられます。

 修理のお見積りは無料です。修理が出来るかどうか、出来るとしたらいくらぐらいかかるのか、他店で修理の料金が高いと感じられた、もしくは断られたお品など、ご相談だけでも大丈夫です。大切な指輪を諦める前に一度ご来店下さい。

電話やメールでのお問い合わせについて

 お電話やメールでよく、こういった指輪なんだけど直せますか、いくらかかるか知りたい、とのお問い合わせをいただきます。過去にはネットで買おうと思っている指輪があるんだけどサイズ直しは出来ますか、というご相談もありました。
 お電話やメール、LINEのお問い合わせは、お品の状態をお伺いし可能な限りお答え致しますが、返答が出来かねる場合もございます。指輪の状態によって修理の料金が変わったり、そもそもサイズ直しが出来ない指輪だったりすることもあり、お電話やメール、LINEではその判別がつかないことがあるためです。大体の目安をお伝えすることは出来るかもしれませんが、それはあくまでも目安です。スタッフが現物を直に確認するまでは、変わる可能性も十分あるということをご了承下さい。

 指輪のサイズ直しでお預かりする場合、サイズだけを見るのではなく、素材やデザイン的にサイズ直しが出来るかどうか、石が動いたり取れたりしていないか、どの位置に刻印が入っているかなど、プロの目で細かくチェックします。上記以外にもたくさんの確認事項があり、お電話やメール、LINEだけで全ての事項をチェックすることは、ほぼ不可能です。
 原則、店頭で現物を見て判断させていただきます。ご予約は必要ありませんので、まずは店舗にお品をお持ち下さい。

なんの金属かわからない。そんな時は…

 いただいたものだから素材がわからない、なんの素材だったか忘れてしまった、とのご相談をお受けすることがあります。そもそもサイズ直しが出来る素材でなければ、意味がありませんよね。
 そんな時は、虫眼鏡やルーペなどで指輪の内側を覗いてみて下さい。目が良い人であればそのままでも見えます。金やプラチナ、シルバーなどの製品であれば、刻印が打ち込まれているはずです。刻印を見れば、金属の種類と含まれている金属の純度がわかります。刻印は非常に小さく、常に特定の場所に打たれている訳ではないため、注意深く見て下さい。

 このように刻印が打たれていると思います。この刻印は最も分かりやすくポピュラーな刻印と言えます。また日本の場合は造幣局検定マーク、イギリスやフランスのホールマークなどが打刻されているものもあります。中にはメーカーが独自に作っているマークや、購入者がオーダーで打刻したものなど、刻印の種類も様々です。
 当店でもお客様にお持ちいただいたお品は、ルーペを使って一つ一つ慎重に刻印を確認します。刻印がなかったり、見えにくかったり、不明な刻印など、判別がつかないお品はお預りをして見積りを取らせていただく場合があります。

指輪が抜けない時の対処法

 指輪のサイズを直したいけど指輪が抜けない、そんな時はどうしたら良いでしょうか。指輪を強引に引き抜こうとすると指を痛めてしまうかもしれません。指が腫れてしまうとさらに外れにくくなってしまいますので、焦る気持ちを落ち着かせて冷静に対処しましょう。

 簡単にできる手段として、ハンドクリームやベビーオイル、石鹸などで指輪の滑りをよくする方法があります。
 まず、指輪と指の間にハンドクリームを塗りこみます。指輪を回したり、ずらしたりしながらクリームを馴染ませ、指先に向けて指輪を左右に滑らせながら外します。指輪をぐっと一直線に引っ張るのではなく、左右や上下に動かしながら少しずつ引いて指輪を動かしていくのがポイントです。指がむくみやすいとされる朝の時間は避けて、夕方にチャレンジされるとよりベストです。前日にお酒を飲みすぎたり、寝不足でもむくみがでやすいため、むくみが気になる日はなるべく避けた方が良いでしょう。

 指輪が見るからに抜けそうにない、様々な方法を試したけどどうしても抜けない、そんな時は最終手段として指輪を切ることになります。指がうっ血して痛みがあったり、急な手術や検査があるなど緊急性が高い場合は、即座に最寄りの消防署に相談して指輪を切断してもらいましょう。
 たとえ指輪を切ってしまっても、修理が出来ることも多いです。思い出の指輪を切ってしまうことに抵抗を感じられる方もおられますが、外れる見込みもないのに、いつか抜けるかもしれないと考え、安易に放置することはおすすめしません。

 緊急でない場合は、最寄りのジュエリーショップや工房にご相談ください。当店でもリングカットを1,100円で受け付けております。消防署や病院での切断は人命救助を目的とするため、指輪が切断以外の箇所も破損してしまう可能性が高くなります。切断面がガタガタだったり、必要以上に変形したり、石が割れたり取れたりするなど、後々修理しようとすると費用が高くなってしまうかもしれないということです。
 一方ジュエリーショップなどでは後に修理することも考慮し、専用の器具を使って指輪の破損をなるべく少なくキレイに切ります。それにより、修理時の費用を極力抑えることが出来るのです。中には熟練のスタッフにより、指輪を切らなくても抜くことが出来たという事例もございます。まずは、ご相談ください。

 今回はお客様から特にご相談の多いリングのお修理についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか。サイズを直したいと思っても、どこに持っていけばいいのか、直しはしてもらえるのか、料金はいくらになるのか、など色々と悩んでしまうと思います。しかし、「悩む時間がもったいなかった。もっと早く来れば良かったね」と、悩みが解消されスッキリした気持ちで帰られる方も多くいらっしゃいます。
 お見積りに料金はかかりません。どの店舗でも受け付けておりますので、是非お気軽にお申しつけください。


※金額は全て2024.3月のものになります。価格、商品は予告なく変更する場合がございます。