パールのグレード 価格の違いについて

 パールにもグレードがあるのはご存じですか?真珠のネックレスを選ぶ時に、どう選んだらいいのかわからないとお聞きする事が多々あります。ダイヤモンドにも4Cという評価基準があるように、真珠にも、『巻きの厚さ・てりの強さ・キズの程度・形・色』の全てにおいて、一定基準以上の上質なアコヤ真珠である証とされる検査があります。それらの検査の結果が、鑑別書に記載されています。
 このグレードを見分ける最も簡単な手段は、パールに付いている鑑別書を見る事です。鑑別書を発行している鑑別機関により、真珠もグレード分けする事が出来ます。もちろん鑑別機関が全てではありませんが、今回はそのことを踏まえ、真珠のグレードと価格の違いについてご紹介致します。

花珠真珠とは

 浜揚げに至るまで、4年ほどの年月をかけて真珠は誕生します。核入れ手術のあと、養殖期間中に50%の貝が死んでしまいます。残りの50%のうち、花珠と呼ばれる良質な真珠はわずか5%ほどです。
 花珠とはキズが少なく、形がラウンド系であり、平均以上の巻き(真珠層)でテリの良好なとても美しい真珠の事です。

テリ
 真珠層が数千層も積み重なってできており、この真珠層に入りこんだ光が反射する事で、内面から光を放ちます。この内面光沢をテリと呼びます。
 テリは真珠の品質を評価するとき、最も重要な要素となります。一般的にご自分の顔がくっきりと映る物がテリの良い真珠といわれます。テリは真珠の巻きと密接に関わっており、テリが良いということはすなわち、真珠層の巻きが厚く均等であるということです。

●巻き
 真珠には中心に核と呼ばれる球体の物質があり、その周りを真珠層が巻いています。巻きとは、この真珠層の厚さのことです。真珠層の巻きが厚く、均等であるほど品質が高いと評価されます。
 真珠層は肉眼では見えない厚さ約0.3ミクロン(0.0003mm)の結晶層が数千層も積み重なる事で、表面だけではなく内側から真珠の輝きを生み出します。

●キズ(エクボ)
 養殖した真珠ですが貝という生き物が育む自然の宝石ゆえに、真珠の表面は完全になめらかというわけではありません。もっとも多いのが、養殖中に自然にできた小さなへこみです。これは人為的に後からつけたキズと異なるため、エクボと呼びます。真珠のエクボは自然によって育まれた本物の証として考えて頂ければよろしいでしょう。エクボのほかに、しわ・たるみのように表面がなめらかでない真珠もあります。

●色
 真珠の色には干渉色(かんしょうしょく)、実体色(ボディーカラー)、下地色の3種類があります。干渉色は、真珠層の中に入った光が屈折・反射・透過などにより混ざり合って表面に現れる色のことです。身近な例では、シャボン玉の表面に現れる虹色の発色が同じ原理によるものです。

●形
真珠は真円(ラウンド)に違いほど品質が高いと評価されます。

 花珠真珠とは、テリ・巻き・キズ・色・形において上位品質であることが条件です。
 様々な鑑別機関が花珠真珠の鑑別書を発行していますが、はっきりした花珠真珠の基準が無く、鑑別機関により審査基準が異なります。ですので、同じ真珠でも鑑別機関が異なると花珠真珠と鑑別されたりされなかったりする事があります。 
 ご自身の目で見て、しっかりと判断していただく事が大切です。

オーロラ花珠とは

 国内で最も審査の厳しい真珠科学研究所発行の鑑別書において、アコヤ真珠(ホワイト系)の最高品質の範疇と認められた真珠に与えられる特別な呼名です。

  1. 6ミリ以上のホワイト系アコヤ真珠に適用します。
  2. 巻きは0.4ミリ以上とします。
  3. 形はセミラウンドまで許容範囲とします。
  4. きず(面)は真珠科学研究所基準でチェックします。
  5. テリを最重視し、輝きと干渉色の両面を真珠科学研究所基準でチェックします。

 巻きの厚さが0.4㎜以上と基準があります。干渉色(テリ)を支配しているのは、巻きの厚さです。この厚さが0.01ミクロン違えば異なった、干渉色が現れます。30種類以上の干渉模様がありますが、大きく分類すると、RG (レッドグリーン)系 G(グリーン)系 R(レッド)系と3つのパターンに分けられます。このオーロラのような光彩色が確認された、実写画像が鑑別書に添付されます。
 「オーロラ効果」は写真のようにテリの強い真珠では光彩色が濃く鮮やかに現れ、一方テリの弱い一般的なアコヤ真珠では光彩色が薄くはっきりとは現れません。実際に出現したオーロラ効果を撮影し、その写真を鑑別書に載せることによって、テリの良い真珠であるということの証明としています。

オーロラ天女とは


 オーロラ天女と認められるには、オーロラ花珠の検査に合格したうえで更に厳しい検査をくぐり抜ける必要があります。
また、オーロラ花珠の中でも特にテリが際立っていることが条件です。オーロラ天女とは、テリを測定し得られた数値が100点中90点以上のお品のみに与えられる呼称です。

 上記で述べた通り、テリとは真珠表層部での干渉現象のことです。
 干渉現象とは身近な例で言いますと、真珠を作る貝の貝殻内面や、孔雀や玉虫の羽が放つ美しい色を思い出してください。表面が虹の七色に輝いている状態の事です。これが光の干渉現象により分光された輝きです。
 鑑別書取得の難しいオーロラ天女は、市場に多く出回ることの少ない最高の輝きを放つ希少性の高いお品です。ですので価格も高価になります。最上位の真珠をお求めの方へはおすすめの真珠です。

 上記の話しを踏まえ、価格の違いは、真珠の大きさが6ミリから9ミリ近くまでの大きさの違いとグレードの差にあります。低価格の真珠と花珠と比べると、エクボや形の状態の差もありますが大きな違いはグレードの違いです。
 様々な鑑別機関もあり合格基準も異なりますので、鑑別書の発行元を確認するのも大切です。画像や画面で伝わりにくいのが真珠です。ご自身の目で見て納得のいくお品をお選びください。