婚約指輪にふさわしいカラーストーン

 婚約指輪と言えば、皆様が真っ先に思い浮かべるのはダイヤモンドの指輪ではないでしょうか。しかし「婚約指輪=ダイヤモンド」、そんな決めつけはもう時代遅れかもしれません。
 「ダイヤモンドも素敵だけど、せっかくの婚約指輪だから他の人が持っていないような指輪にしてみたい」、「ダイヤより美しい色合いのカラーストーンの方が好き」、「ダイヤは譲り受けたものがあるから、婚約指輪はダイヤ以外が良い」そんな希望を胸にカップルで宝石店に訪れる方も増えています。
 「世紀の結婚」といわれた英国のチャールズ皇太子とプリンセス・ダイアナ。故ダイアナ元皇太子妃がチャールズ皇太子から受け取った婚約指輪も美しいブルーサファイアでした。
 そこで本日は、豊富な色石の中でも婚約指輪に特におすすめのカラーストーンをご紹介いたします。

ブルーサファイア

 永遠の愛を誓った純粋で誠実な想いを象徴する青。ブルーのサファイアは、そんなおふたりの婚約指輪にぴったりのカラーストーンです。
 今から千年以上も前のヨーロッパではサファイアは真実の愛を象徴する石とされ、歴史上に名を残す人々の婚約指輪に選ばれています。

ナポレオンも贈ったブルーサファイア

 フランスに君臨した初代皇帝ナポレオンが、カール大帝から受け継がれていた大粒のブルーサファイアを、愛する王妃ジョセフィーヌに贈ったという話は有名な逸話です。ジョセフィーヌは気が強く奔放な性格で、ナポレオンは妻の浮気にいつも悩まされていました。しかしナポレオンからブルーサファイアを贈られると、ジョセフィーヌの浮気はピタリとおさまり、夫に誠実で献身的に尽くす賢女へと変身したと言われています。
 また故ダイアナ元皇太子妃は、ブルーサファイアの婚約指輪やチョーカーを頻繁に愛用していました。英国王室ではサファイアのような濃いブルーがロイヤルカラーなのです。
 古代から近代に至るまでブルーサファイアは愛情と誠実さを表す石として、とても身近で人類と深い関わりがあることがわかります。 

ルビー

 情熱的に真っ赤に輝くルビーは婚約したふたりの熱い想い、未来への希望や溢れる愛を象徴しているかのようです。ダイヤモンドの次に硬いルビーは、婚約指輪としてもふさわしい華やかさと美しさ、そして力強さに溢れたカラーストーンです。
 中世の人々はルビーが赤いのは石の中に閉じ込められた星が燃えているからだと考え、古代ギリシャやローマの時代には、ルビーは情熱・生命力・勇気を与える石として信じられていました。燃えるようなルビーの赤色に、人々は古くから特別な意味を見出してきたのです。

神秘的なコランダムの奇跡

 ルビーはコランダムという鉱物名に属している石です。このコランダムの中に、金属元素の一種、酸化クロムが入り込むことによって、コランダムは美しい赤へと変化します。石に入り込む酸化クロムの量は多すぎても少なすぎてもいけません。決まった範囲内のわずかな酸化クロムが入り込んだ時だけ、コランダムは情熱的な赤色を帯びたルビーへと変身するのです。その神秘性も相まって西洋、東洋問わず根強い人気を誇ります。
 真っ赤に輝くルビーは、婚約という晴れの日に豪華な彩りを添えてくれます。

エメラルド

 富と繁栄をもたらすと言われるエメラルド。宝石言葉は「幸運」です。婚約した二人の将来にとっても縁起が良く、さらにエメラルドのグリーンは目に優しいので、見つめていると不思議と穏やかな気持ちになれます。幸せな結婚のお守りとして世界中の人々に愛されています。
 また、エメラルドはどんなお洋服の色にも合わせやすいので、洋装だけでなく和装に合わせても素敵です。そのため日本の女性たちの間では年齢を問わず根強い人気を誇ります。

クレオパトラも愛した宝石

 絶世の美女と言われた女王、クレオパトラも愛した言われているエメラルド。彼女は身の回りだけでなく室内もエメラルドで飾り立て、なんと鉱山までも所有し独占していました。
 そんなエメラルドは、鉱物としてはベリル(緑柱石)というグループに属しています。同じベリルに属するカラーストーンには、涼しげで透明感たっぷりな海の色を想わせるアクアマリン、美しい淡いピンクが女性の熱い支持を受けるモルガナイトなどがあります。そのなかで、エメラルドグリーンと表現される美しい緑色がエメラルドにだけ与えられたのは、ほんのわずかな金属元素の入り込み方や、結晶の仕方が違ったためです。
 新緑のグリーン、あるいは美しい海の色にも似たエメラルドグリーンは、健やかに美しくふたりの愛を輝かせてくれます。
 

ピンクサファイア

 純潔、誠実な愛の象徴と言われているサファイア。まさに婚約指輪にふさわしいカラーストーンです。しかし、シックで落ち着いたブルーより、もっと明るく可愛らしい色の方が好きと思われる方もいるかもしれません。そんな方には同じサファイアでも、可憐な色合いのピンクサファイアはいかがでしょうか。
 実はサファイアのカラーバリエーションはとても豊富です。青、ピンク、オレンジ、紫、緑、ホワイトなど、まるで絵の具のように色とりどりです。その中でもピンクサファイアは、たくさんあるカラーサファイアでも最も人気の高いカラーです。その若々しくも愛らしいピンクに魅せられて、ピンクサファイアを婚約指輪として希望する女性も少なくありません。

幻のサファイア

 サファイアの中でもオレンジとピンクのちょうど中間色、ロマンティックなカラーのサファイアを「パパラチア」と呼びます。パパラチアとは、サンスクリット語で「連の花」という意味。蓮は仏教で極楽浄土に咲く花として有名で、パパラチアはその花の色合いに似ていることから命名されました。
 パパラチアサファイアは色別がとても難しく、世界でもごくわずかな量しか産出されないことから「幻のサファイア」と言われています。とても珍しく、あまりの希少性の高さに「世界三大希少石」と言われるほど。
 知性や冷静な判断力をもたらすとされるブルーサファイアとは対照的に、可憐なピンクカラーは身に着けているだけでマリッジブルーを吹き飛ばすような快活な明るさがあります。ピンクから幻と言われるパパラチアまで、是非おふたりで好みの色合いのサファイアを探してみてください。

アレキサンドライト

 皆様はアレキサンドライトという宝石をご存知でしょうか。アレキサンドライトは、今からわずか190年ほど前の1830年にロシアのウラル鉱山で発見されました。他の宝石に比べると歴史の浅い石と言えますが、実は婚約指輪としても通用するほどの高い特別感をもつカラーストーンでもあります。

昼はエメラルド、夜はルビー

 自然光のもとでは深い緑、白熱光や蝋燭の明かりのもとでは赤く変色する不思議な石。それがアレキサンドライトです。宝石愛好家によって「昼はエメラルド、夜はルビー」と記されることもあり、その非常に珍しい特徴と神秘性からアレキサンドライトはとびきりの価値があると認められました。「皇帝の宝石」「宝石の王様」と呼ばれるほど、人気の高い宝石として君臨しています。
しかし、最初に発見されたロシアのウラル山脈では現在ほとんど採れなくなってしまっており、上質な石は非常に貴重なものとなりました。そのためパパラチアサファイアとともに「世界三大希少石」のひとつとして数えられています。
 アレキサンドライトの宝石言葉は「秘めた想い」「高貴」「情熱」と、婚約にふさわしいものです。個性的でもあり、光の違いにより美しい色の変化を楽しむことが出来るので飽きることがありません。是非、婚約指輪の候補に加えていただきたいカラーストーンのひとつです。

 今回はダイヤモンド以外の婚約指輪に相応しいカラーストーンをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。基本的に「婚約指輪は絶対にダイヤモンドでなくてはならない」、「このカラーストーンは婚約指輪に相応しくない」という決まりはありません。
 ジュエリーカジタではダイヤモンドはもちろん、沢山のカラーストーンも豊富に取り扱っております。是非カジタでおふたりだけの婚約指輪に出逢ってください。